創業300年 老舗の不思議なパワー「女の子は和菓子職人になれない」(2024年度第2回)
日時 2024年5月14日
場所 ホテルエミオン京都 笹屋伊織別邸
「創業300年老舗の不思議なパワー」として、皐月のセミナーが開催されました。
テーマは、「すべての物には命がある」
お菓子は「福来る(ふくきたる)」です。
この薬銘は、カキツバタの花言葉に由来しており、紫(浮島製)+白(毛製)+緑(浮島製)の色の組み合わせが杜若。
本当に美しくて、黒文字を入れるのを躊躇うほど。
桃を粗ごしにした羊羹は水分量を工夫されていて、しっかりと桃のお味を堪能させて頂きました。
細部に渡り、菓子職人さんの想いがこめられているのが伝わってきます。
「彼岸会にどら焼き贈りて京誇る」と書かれたおたふくの絵は、お彼岸に一般的なおはぎを贈るのではなく「どら焼き」が京都の誇りとして贈られていることを、鼻の上に「京」の文字を乗せて表現されています。
この絵は一旦は人の手に渡ったものだそうですが、念願叶って女将さんの元に帰ってきたという大切なお品。
物には命(こころ)があり、然るべきところに戻り、分不相応な物を所有しても、それが自分に相応しい物でなければ、いつか手離れでいくことも。
優しい薔薇の掛け軸は、女将さんが尊敬されている古美術・野澤様の表装によるもの。
気品ある優雅な薔薇が、美しい表装でさらにその美しさが際立ち、お茶席が華やかに。
物には命があることを、あたらめて感じ入りました。
私も、自分の心が豊かになる物、好感が持てる物を大切にしたいと思います。
あまりに美しい、「福来る(ふくきたる)」のお菓子を実家の母のお土産にも買い求め、
自宅で母と美味しくいただきました。
ご馳走様でした。
ミセスなでしこ日本 2023 京都府代表
谷内弥生