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女将のおもてなし講座「ハロウィンの会」
(2021年度第6回)

日時
2021年10月27日(水曜日)午後2時10分~3時5分
場所
名鉄百貨店バンケットルーム
(名古屋市中村区名駅1-2-1名鉄百貨店本店本館9階)
講師
創業享保元年(1716年)の京菓匠 笹屋伊織十代目女将・田丸みゆきさん
今月のテーマ
秋のきんとん
ドレスコード
ハロウィン

享保元年(1716年)創業の京菓匠 笹屋伊織10代目女将の田丸みゆき先生が講師を務める名鉄百貨店における月例セミナー「女将のおもてなし講座(2021年度)」の第6回目、ハロウィンの会。田丸みゆき先生が今回取り上げたテーマは「秋のきんとん」。秋のきんとんというと、名古屋圏においては岐阜県東美濃地方名産の炊いた栗に砂糖を加え茶巾で絞った素朴なお菓子「栗きんとん」のことを思い出す人が少なくないだろうが、今回のテーマ「秋のきんとん」は、餡玉の周りに箸でそぼろをつけたお菓子で、薯蕷饅頭(上用饅頭)、こなしとともに京菓子を代表するお菓子である。

さて、平安時代の「こんとん」から江戸時代後期に現在の餡玉にそぼろをつけた「きんとん」(そぼろきんとん)になるまでの「きんとんの変遷」についてのレクチャーを受けた後、きんとんの菓子器への盛りつけ方について学んだ。「繊細なきんとんは崩れやすいので、深い器など場合によっては箸にのせるのではなく、箸をきんとんに指して取り、菓子器へ盛りつけても構わない」といったアドバイスをしながら田丸みゆき先生がお手本を示してくれた。続いて田丸先生のお手本を参考に、参加者の代表が盛りつけを楽しんだ。

芯となる餡玉に箸でそぼろをつけた「きんとん」(そぼろきんとん)は、そぼろの色使いと菓銘の付け方によって変身する。きんとん変身の術。言い換えると、和菓子職人の技と感性が試されるのが、きんとんである。参加者各自が菓銘を考えた後、お抹茶とともに秋のきんとんをいただいた。

text:渡邉 和彦