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笹屋伊織の女将塾「愛される所作~うす桃色の会」
in 名鉄百貨店

日時
2019年7月3日(水曜日) 午後2時5分~3時10分
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
テーマ
小豆の食べ比べ(「丹波大納言小豆の冷やしぜんざい」と「業務用ぜんざい」の食べ比べ)

「あん」は和菓子の命です。「あん」は、和菓子屋にとっても命です。小豆、いんげん豆、栗、芋、南瓜、味噌などを原料とした多くの種類の「あん」がありますが、代表となるのは小豆を使った「小豆あん」です。 さて、和菓子屋の命「小豆あん」をテーマとして取り上げた女将塾「愛される所作~うす桃色の会」が2019年7月3日、名鉄百貨店本店のバンケットルームにおいて開催されました。講師は、創業享保元年(1716年)の京菓匠「笹屋伊織」十代目女将で京都おもてなし観光大使でもある田丸みゆき先生です。

田丸先生から小豆の歴史、小豆の種類などについてのレクチャーがありました。赤い色の小豆は古来、病や災いを封じるものと信じられ、無病息災や魔除けを祈願する行事菓子に使われてきたそうです。6月30日の夏越祓の行事菓子として知られる「水無月」は、氷に見立てた三角形をした白い生地に赤い小豆を重ね、暑気払いと邪気払いを願うお菓子です。下左の写真は、名鉄百貨店本店地下1階にある笹屋さんで6月25日に購入した、小麦粉、うるち米粉および本葛を使った三角形の白い生地に赤い小豆を重ねた「水無月(白)」です。 小豆の種類と産地についての話の中で記憶に残ったのは、小豆の収穫量の93%が北海道産(平成30年、農林水産省公表数字)だという事実です。イメージのよさでは群を抜く北海道ですが、北海道産小豆は希少価値はないということがわかりました。希少価値がある小豆といえば、粒が大きくて、煮ても皮が破れにくいという特徴のある「大納言」(大納言小豆)です。大納言の中で希少価値があるのが丹波産の「丹波大納言」。下右の写真は、北海道産大納言と丹波大納言です。

小豆についてのレクチャーが終わると、京都イオリカフェ名古屋名鉄店の「丹波大納言小豆の冷やしぜんざい」と業務用つぶあん(北海道産小豆使用)を使った「冷やしぜんざい」を食べ比べました(下右の写真)。丹波大納言小豆と粗目糖を使い店舗厨房で炊いた「丹波大納言小豆の冷やしぜんざい」と、小豆と砂糖の他に寒天とソルビトール(甘味料)を加えて作った業務用つぶあんを使った「冷やしぜんざい」の違いは明らかでした。

笹屋さんがプロデュースする京都イオリカフェ名古屋名鉄店においては、丹波大納言小豆を店舗厨房で炊いた「あん」を使ったメニューが揃っています。今回食べ比べをした「丹波大納言小豆の冷やしぜんざい」のほか、あんみつ、小倉トースト、だるまさんの小倉パフェなどがあります。ぜひ一度ご賞味ください。

text:渡邉 和彦