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笹屋伊織の女将塾「愛される所作~橙色の会」
in 名鉄百貨店

日時
2019年5月22日(水曜日) 午後2時~3時
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
今月のお菓子
十代目伊兵衛菓舗のお菓子3品

令和元年最初の笹屋伊織の女将塾「愛される所作~橙色の会」(午後の部)が定刻の午後2時より始まった。講師は、享保元年(1716年)創業の京菓匠「笹屋伊織」十代目女将で京都観光おもてなし大使でもある田丸みゆき先生。田丸先生が「月見ず月」(陰暦五月の異名)のテーマカラーとして選んだ「橙色」は、2018年12月5日にジェイアール京都伊勢丹地下1階にオープンした笹屋伊織プロデュースの新ブランド「十代目伊兵衛菓舗」のブランドカラー。

さて、田丸先生が今月のお菓子として選んだ新ブランド「十代目伊兵衛菓舗」のお菓子3品の紹介の前に、「十代目伊兵衛」は笹屋伊織の初代当主の名前に由来するとの話があった。伊勢の城下町・田丸で御菓子司をしていた初代伊兵衛が、御所の御用を仰せつかり京へと呼び寄せられ享保元年(1716年)に「笹屋」の暖簾を掲げたそうだ。ちなみに、笹屋さんの代表銘菓「どら焼」を江戸末期に考案したのが五代目伊兵衛、田丸先生のご主人で笹屋伊織社長の田丸道哉さんが十代目伊兵衛。創業者の名前に由来する新ブランドの中から田丸先生が精選した今月のお菓子は、カップに入ったチルドスウィーツ「日本酒ティラミス」、やわらかくて歯切れのよい餅生地で粒あんを包み、ケシの実をまぶし軽く焼いた満丸な「〇餅」、丸久小山園の抹茶が香るしっとり食感の「抹茶テリーヌ」の3品。いずれも京菓子職人の技と美学が濃縮された和スウィーツだそうだ。

今月のお菓子についての説明が終わると、宇治産100%の宇治茶の新茶(煎茶)を常滑急須で淹れる実演へと移った。この企画のために田丸先生は、宇治で「あかねだすき姿」での新茶摘みを体験し、京都の有名な日本茶専門店が開講している「新茶の淹れ方教室」に参加したそうだ。さすが、アクティブ系女子!常滑急須で淹れる新茶の実演が終わると、宇治茶の新茶と十代目伊兵衛菓舗のお菓子で、待望の甘楽茶楽時間!

女将塾の〆は、新店舗オープン情報。笹屋伊織プロデュースの「イオリカフェ」が5月18日(土曜日)、京都府京田辺市のJR学研都市線松井山手駅前にある体験型施設や交流スペースを設けた複合商業施設「ブランチ松井山手」1階にオープンした。イオリカフェを運営する株式会社イオリコーポレーションの社長でもある田丸先生はオープン初日の18日と続く19日、イオリカフェ松井山手店でお客さまをお迎えしたそうだ。19日は、2018年12月に増床オープンしたジェイアール京都伊勢丹地下1階「菓子のTASHINAMI」において初開催のセミナー「今さら聞けない和菓子の基本と老舗女将のナイショ話」(2回講演)との掛け持ちという離れ業。田丸先生を撮り続けてまもなく10年目の私が見て「多忙でかなり疲れている」田丸先生だが、ご本人曰く「口は疲れない」。今日も舌好調の田丸先生だった。

text:渡邉 和彦