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笹屋伊織の女将塾「愛される所作~紺色の会 」
in 名鉄百貨店

日時
2018年11月14日(水曜日) 午後2時~午後3時
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
特別講師
笹屋伊織十代目女将・田丸みゆきさん
今月のお菓子
もんぶらんと可美栗(うましぐり)

創業享保元年(1716年)の京菓匠・笹屋伊織の十代目女将・田丸みゆきさんが講師を務める女将塾「愛される所作~紺色の会」が始まった。最初に、今回から女将塾のサポーティングスタッフに加わった神谷さんの紹介があった。神谷さんは、京都イオリカフェ名古屋名鉄店公式インスタグラム(アカウント名「meitetsuiori」)を担当しているそうだ。Please follow! 新スタッフの紹介に続いて、毎回お馴染みとなった(いや、たまに忘れることがある)今月の着物を紹介する「田丸みゆきショー」。カメラ目線の田丸先生をご覧ください。今回の着物は、テーマカラーが「紺色」の女将塾のために新調した着物。

さて、田丸先生が選んだ今月のお菓子は「もんぶらん」と「可美栗(うましぐり)」。もんぶらんは、焼栗あんを黄味あんで包んだ田丸先生創案の、下の写真の様に「4つに切り分けて食べる」お菓子。1人で1つのお菓子を食べきるという京菓子の決まり事から外れたお菓子だ。もう1つの可美栗(うましぐり)は、20数年前に終売となったお菓子を今回の女将塾のために特別に復刻した栗まんじゅう。白あんに卵黄・寒梅粉・水あめを入れて練った桃山生地で餡を包み焼いた復刻菓・栗まんじゅうには栗が丸ごと1個入っている。 卵好きな田丸先生が選んだ今月のお菓子は2つとも、卵を素材として使っているお菓子。和菓子の素材は、小豆、手亡豆、米粉、砂糖、つくね芋、栗、寒天など植物由来がほとんどで、動物由来の素材は卵くらい。卵好きな田丸先生の祖先は、ひょっとしたら農耕民族ではなく狩猟民族だったのかもしれない。そういえば、高校時代にやり投げの選手だったのは狩猟民族のDNAを受け継いでいるからかもしれない。 今月のお菓子の説明が終わると、待ちに待った甘楽茶楽タイム。4分の1もんぶらん、お抹茶、復刻菓・可美栗(うましぐり)の順にいただいた。今回は、田丸先生がお抹茶を点てている写真を特別公開!

甘楽茶楽タイムが終わると、田丸先生から20数年前に老舗京菓匠の笹屋さんに嫁いだ頃の職人とのコミュニケーションで苦労したエピソードについての話があった。京都の風習、京菓子のことを何も知らない大阪生まれ大阪育ちの田丸先生にとって職人とのコミュニケーションには大きな壁があったそうだ。笹屋さんの広告塔の「女将」として、さらに京都観光おもてなし大使として日々活躍している今の姿を見ると、そんな苦労をした時代があったとはとても想像できないかもしれない。今の職人との揺るぎない信頼関係を築くことができたのは、毎日コツコツと地道な努力を積み上げた結果だと思う。
今回の女将塾の〆は、ワンポイントレッスン「のし紙の使い方」だった。

text:渡邉 和彦