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笹屋伊織の女将塾「愛される所作~生成の会 」
in 名鉄百貨店

日時
2018年2月8日(木曜日) 午後2時10分~午後2時55分
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
今月のお菓子
春の平安左市
ワンポイント講座
初対面での愛される所作

田丸先生が選んだ今月のお菓子「春の平安左市」は、秋から冬にかけて販売される栗あんを使った「平安左市」の春バージョンで桜あんとこしあんを使ったお菓子。笹屋さんに昔から伝わる平安京の銅銭を模った木型で作る「平安左市」は、「京都にお越しくださったお客さまのために特別なお菓子をお作りしたい」という田丸先生の熱い思いと笹屋さんを昨年退職したレジェンド京菓子職人の技とのコラボレーションによって誕生したお菓子。笹屋さんのお菓子は今、北は札幌市から南は別府市まで全国に30店以上ある店舗で購入することができるが、この「平安左市」は京都まで足を運んでくださったお客さましか買えない限定商品。

「平安左市」の誕生話に続いて菓銘にまつわる話があった。享保元年の創業より「左市」(平安京の都を南北に伸びる朱雀大路を挟み東側の左京に設置されていた市を指す)のあった場所に店を構え、その左市で最も古い菓匠となった笹屋さんは「平安左市遺店菓匠最旧老舗」(へいあんさし・いてん・かしょう・さいきゅうろうほ)笹屋伊織」と称されたそうだ。最初の四文字「平安左市」が菓銘の由来だ。なお、笹屋さんの本社のサロンには、貴族院議員・子爵 清岡長言様より大正時代にご染筆賜った「左市遺店」が展示されている(下記の「左市遺店」の写真は2012年6月に旧本店で撮ったもの)。

今月のお菓子にまつわる話が終わると、「平安左市」と抹茶で甘楽茶楽タイ〜ム。田丸先生をサポートしてきた田中さん(副店長)が3月で退職するので、今回が彼女が担当する最後の女将塾。田中さんが点ててくれた抹茶を楽しむことができるのは今回限り。「田中さん、3年間おつかれさまでした」。

特別なお菓子「平安左市」と田中さんの抹茶を楽しんだ後は、ワンポイント講座「初対面での愛される所作」(また会いたい人⇔もう会いたくない人)。田丸先生から「もう会いたくない人」の言動パターンについて話があった。相手の気持ちを考えない、相手の話を聞かない、・・・等々の具体的な行動パターンを聞いているうちに、「平安左市」の誕生話が思い浮かんできた。「京都にお越しくださったお客さまのために特別なお菓子をお作りしたい」という田丸先生のお客さまのことを思う気持ちは、相手の気持ちを考えない「もう会いたくない人」には無縁だろう。笹屋さんの本店を初めて訪ねたお客さまが「平安左市」の誕生話を聞いたら、きっと笹屋さんを再訪したいと思うだろう。

今回の女将塾、空席が目立った。予約状況を示すホワイトボードに「各回満席。キャンセル待ち」と記載されていたので、5席の空席に驚いた。インフルエンザなどの理由で開催直前にキャンセルの連絡が入ったのだろうか?それにしても出席予定者24名に対し5名の欠席は多い。キャンセル待ちの予約者のこと、また予約人数分のお菓子を前もって発送した笹屋さんのことを考えて、もっと前にキャンセルしてほしいと思った(連絡なしの欠席はないと思うが)。

text:渡邉 和彦