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女将のおもてなし講座「無地の会」
(2021年度第4回)

日時
2021年8月25日(水曜日)午後2時5分~3時5分
場所
名鉄百貨店バンケットルーム
(名古屋市中村区名駅1-2-1名鉄百貨店本店本館9階)
講師
創業享保元年(1716年)の京菓匠 笹屋伊織十代目女将・田丸みゆきさん
今月のテーマ
甘味処の看板商品 元祖・和スイーツ
ドレスコード
無地

享保元年(1716年)創業の京菓匠 笹屋伊織の10代目女将で京都観光おもてなし大使でもある田丸みゆき先生が講師を務める名鉄百貨店における月例セミナー「女将のおもてなし講座(2021年度)」の第4回目。「女将のおもてなし講座」においては毎月のドレスコードが決まっています。今回は「無地」。「毎月、柄のテーマがございます。お召し物や小物に、各月のテーマ柄を身に着けて楽しみましょう」が、田丸みゆき先生から参加者へのメッセージです。

田丸みゆき先生が選んだ今月のテーマは「甘味処の看板商品 元祖和スイーツ」。甘味処における人気商品、看板商品といえば今、抹茶パフェ、かき氷になるのでしょうが、元祖和スイーツとなると、やっぱり「あんみつ」です。田丸みゆき先生から、元祖和スイーツのあんみつの歴史についての話がありました。あんみつ(餡蜜)は、みつまめ(蜜豆)に餡をのせたもので昭和に入り東京の甘味処が始めたそうです(蜜豆+餡=餡蜜)。みつまめは、もともと「ゆでた赤えんどう豆と新粉餅に蜜をかけたもの」だったのが大正時代になり、寒天、赤えんどう豆、果物などをのせた豪華なみつまめが評判になったそうです(蜜豆の進化)。すなわち、あんみつの歴史は「蜜豆 → 蜜豆の進化 → 蜜豆+餡=餡蜜」ということになるわけです。

さて、田丸みゆき先生が取り上げた今月のお菓子は、あんみつではなく「豆かん」(豆寒)です。「豆かん」という甘味のことを初めて聞いたという人が少なくないかもしれませんが、豆かんは「赤えんどう豆と寒天に黒蜜をかけたもの」です。赤えんどう豆の食感を楽しむことができる豆かんは、田丸先生のお気にいりの和スイーツ。冷抹茶と一緒にいただきました。なお、豆かんは、笹屋さんがプロデュースする和カフェ「京都イオリカフェ」のメニューにあります。普通の「豆かん」に白玉、抹茶アイスクリームおよび小倉あんをトッピングした豪華な豆かん「白玉クリームあん豆かん」もあります。

text:渡邉 和彦