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女将のおもてなし講座「松竹梅の会」
(2020年度第7回)

日時
2021年1月13日(水曜日)午後2時5分~2時55分
場所
名鉄百貨店バンケットルーム
(名古屋市中村区名駅1-2-1名鉄百貨店本店本館9階)
講師
笹屋伊織十代目女将・田丸みゆきさん
今月のテーマ
花びら餅
ドレスコード
松竹梅
今月のメッセージ
聞く耳を持つ

2021年(平成3年)最初の「女将のおもてなし講座」のドレスコードは、寿ぎの吉祥文様である「松竹梅」。講師の笹屋伊織十代目女将の田丸みゆき先生が取り上げたテーマは、新春のお菓子として全国的にすっかり定着した京都発の「花びら餅」(葩餅とも)。宮中の正月行事に使われた歯固が儀式となる過程で生まれたと考えられている菱葩(ひしはなびら)に由来し、裏千家11代家元・玄々斎(1810〜1877)が宮中より許され、御粽司12代川端道喜に調進を依頼し、明治時代から裏千家の初釜のお菓子「御菱葩(おんひしはなびら)」として使われるようになった「花びら餅」。円く平たい白い餅は梅の花、牛蒡(ごぼう)は歯固めの儀で使われた押鮎の見立てだと言われている。裏千家の初釜のお菓子「御菱葩」が一般に広がり始めたのは1965年(昭和40年)頃だそうだ。由緒ある格式の高い「花びら餅」は今や日本の正月のお菓子としてなくてはならない存在となっている。

田丸みゆき先生による「花びら餅」の由来などについてのレクチャーが終わると、うす紅色に染めた白みそ餡と甘く煮た牛蒡(ごぼう)を円く白い餅で包んだ笹屋さんの「花びら餅」を、田丸みゆき先生が点てたお抹茶と一緒にいただいた。

さて、上の写真の笹屋さんの「花びら餅」の下に敷かれた懐紙をご覧ください。イカの様な形をしたマークの中に屋号「笹屋伊織」が印されている。笹屋さんのロゴは、上の写真に写っている菓子切り入れに印されている通り、〇の中に「鶴が隠れている『笹』」という文字が入ったデザインなので、この懐紙のマークはロゴではないことは明らかだ。イカの様な形をしたマークは長年、「笹屋伊織の懐紙のマークの謎」だったが、今回、「この謎が解けた」と田丸みゆき先生より次の解説があった。「イカの様に見えたマークは、中国で秦以前に使われた書体の『篆字(てんじ)』」、「伊織は→いおり→庵につながり」、「篆字の『庵』を図柄化して、その中に屋号を印した」ものだそうだ。篆字「庵」を図柄化した屋号印だとすると、懐紙以外の紙製の送り状、商品説明書きなどにも押印したのではないだろうか。好奇心に火がつき疑問が次々に浮かんできた。