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笹屋伊織の女将塾「愛される所作~草色の会」
(2019年度第8回)

日時
2019年11月13日(水曜日)午後2時5分~3時
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
特別講師
笹屋伊織十代目女将・田丸みゆきさん
テーマ
抹茶の飲み比べ
今月のお菓子
秋の実りの和菓子

女将塾「愛される所作」を主催している「京都イオリカフェ」は、創業享保元年(1716年)の京菓匠「笹屋伊織」がプロデュー スする和カフェ。「京都イオリカフェ」のメニューにはもちろん、「笹屋伊織の季節の上生菓子とお抹茶」があるが、人気メニュー は、抹茶パフェ、抹茶ゼリーなどの宇治抹茶を使ったスイーツだ。「京都イオリカフェ」で宇治抹茶を使ったスイーツをこれまでに 何度も食べたことがあるが、「使っている抹茶が他とは違うのではないか?」とずっと思っていた。このわたしの疑問を解いてくれ たのが、女将塾で講師を務める「笹屋伊織」十代目女将で京都観光おもてなし大使でもある田丸みゆき先生。「抹茶の飲み比べ」、 田丸みゆき先生が選んだ雪待月の女将塾「愛される所作~草色の会」のテーマだ。

下記の写真は「京都イオリカフェ」の宇治抹茶を使ったスイーツのミニ抹茶パフェ(左側)と抹茶ゼリー。

「抹茶の飲み比べ」の前に、田丸みゆき先生から日本茶の歴史(中国から伝来した喫茶法とその発展)、お茶の分類、緑茶の栽培法・製造法などについてレクチャーがあった。今回のレクチャーのために田丸みゆき先生は、抹茶の原料茶である「碾茶」(てんちゃ)の荒茶と仕上茶(荒茶から茎と葉脈を除去したもの)、3つのグレードの宇治抹茶、碾茶の栽培(=覆下栽培)に使う寒冷紗などを用意した。ネット検索すれば画像情報を瞬時に入手できるが、画像情報よりも実物を手に取り自分の目で直接見るほうが理解度がはるかに高いと思う。下左の写真は、碾茶仕上茶(左側)と碾茶荒茶。下右の写真は(左から順に)、茶臼(石臼)挽きの宇治産100%の宇治抹茶、茶臼挽きの宇治抹茶、機械挽きの宇治抹茶。

レクチャーが終わると、待望の茶臼挽きと機械挽きの2つのグレードの宇治抹茶の飲み比べが始まった。飲み比べてみると、この2つのグレードの違いがよくわかった。「京都イオリカフェ」において抹茶パフェなどの宇治抹茶スイーツに使っている抹茶は、茶臼挽き宇治抹茶で、一般的に茶の湯に使われているグレードだそうだ。なるほど、「使っている抹茶が他とは違う」のだ。宇治抹茶のお茶請けは、笹屋伊織の「栗蒸し羊羹」と「つるし柿」そして十代目伊兵衛菓舗の「〇餅(まるもち)」。甘楽茶楽時間!

text:渡邉 和彦