TAMARU MIYUKI.COM

笹屋伊織の女将塾「愛される所作~山吹色の会 」
in 名鉄百貨店

日時
2018年10月18日(水曜日) 午後2時~午後3時5分
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
特別講師
笹屋伊織広報担当・片山佑美さん
テーマ
「五感の芸術」と「インスタ映え」
今月のお菓子
ハロウィンのお菓子

下期に入った2018年度の女将塾「愛される所作」、今年度7回目となる女将塾の今月の色は「山吹色」。このところ、講演、企業の研修における講師、京都・名古屋・東京での女将塾、百貨店催事におけるトークショー、社内研修などで日本各地を飛び回っている京都観光おもてなし大使でもある田丸先生が取り上げた今月のお菓子は、バレンタインに並ぶ市場規模に急成長した10月31日のハロウィンにちなんだお菓子。女将塾会場で定席に座ると、テーブルの上のこの女将塾のために特製されたハロウィンんお菓子が気になった、直ぐ食べてみたい。でも京菓子についてのレクチャーが終わるまでしばらくお預けだ。

さて、京菓子は五感の芸術と言われるそうだ。五感とは「視覚・嗅覚・触覚・味覚・聴覚」の5つの感覚のこと。具体的にいえば、色や形を目で楽しむ(視覚)、香りを楽しむ(嗅覚)、歯ざわり・舌ざわりを楽しむ(触覚)、味を楽しむ(味覚)、および菓銘を聴いて楽しむ(聴覚)。ちょっとわかりづらい聴覚について説明するために田丸先生は、1枚の京菓子の写真を取り出した。上用まんじゅうだ。上用まんじゅうの写真を見せながら、「何に見える?」、「思ったまま言ってね」などと参加者一人一人に問いかけながら会場を一周し終えた田丸先生が明かした正解は、亀と並んで長寿の象徴の動物である「鶴」だった。(掲載した写真ではわかりにくいかもしれないが)この鶴をイメージしたお菓子の菓銘を「鶴」と付けたら京菓子職人としては一人前ではない(センスがない)そうだ。笹屋さんの職人がこのお菓子に付けた銘は「寿(ことほぎ)」。「寿ぎ/言祝ぎ」とは、新年に言葉で祝うこと。菓銘「寿ぎ」を聴いて鶴をイメージした京菓子を新年に味わう。聴覚で味わうは、京菓子が五感の芸術と言われる所為であり、京菓子の醍醐味だ。したがい、「2017ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)に選ばれるほど「インスタ映え」が今、定着しているが、写真写り(視覚)だけで楽しむことは、五感で楽しむ京菓子には馴染まないといえる。

田丸先生のレクチャーが終わると、今回の女将塾のために特製されたお菓子の写真撮影についてのレクチャー。「少しの工夫で写真をおしゃれに」と題したレクチャーをした笹屋伊織で広報を担当している片山佑美さんが挙げた2つのポイントは次の通り。
 1.背景に小物を置いてみましょう。同系色を使うと、きれいにまとまります。
 2.四隅に空間を作らないよう気を付けて。対角線の2隅を埋めるように撮ると、おしゃれになります。
今回特製されたお菓子は、かぼちゃのランタン「ジャック・オー・ランタン」とハロウィンの代表的な仮装の一つ「お化け」をイメージしたお菓子。そして、写真は載せていないが、洲浜2種(大徳寺納豆入り・ドライいちじく入り)。写真撮影の実習が終わると、待望の甘楽茶楽タイ〜ム!

text:渡邉 和彦