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笹屋伊織の女将塾「愛される所作~薄卵色の会 」
in 名鉄百貨店

日時
2018年4月11日(水曜日) 午後2時5分~午後3時10分
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
今月のお菓子
ういろう粽とようかん粽
ワンポイント講座
エコな京文化でCOOL CHANCE 〜京都老舗和菓子店の女将の実践〜

2018年度の笹屋伊織の女将塾「愛される所作」も2017年度同様、毎月の色が決まっている。第1回の今月の色は「薄卵色」。 「好評につき、今年度も毎月の色のテーマを決めました。お召し物や小物に各月のテーマの色を身につけて楽しみましょう。」が田丸先生からのメッセージだ。 田丸先生が取り上げた今月のお菓子は、「ういろう粽とようかん粽」。粽(ちまき)は、柏餅とともに、5月5日の端午の節句(こどもの日)に食べるお菓子(行事菓子)で、外郎粽、羊羹粽、水仙粽(葛粽)などの種類がある。 端午の節句に食べる行事菓子については、京都を中心とした西日本において粽、東京を中心とした東日本において柏餅が主に食べられるという地域性があると言われている。

端午の節句の由来、中国からの粽の伝来についてのレクチャーが終わると、粽の美しい食べ方のレクチャー。田丸先生によると、ほとんどの人が間違った手順で粽を食べているそうだ。 田丸先生による美しい粽の食べ方(=伝えていきたい粽のいただき方)のレクチャーポイントは次の通り。
①粽の細い側ではなく(ここがポイント)、太い側の2本のイガラを引っ張り出し、折り込んである笹の葉の先端部分を引っ張り出す
②ゆるめたイガラを軸の方に寄せてまとめてから、3枚使っている笹の葉を広げる
③黒文字で切って一口ずつ食べる(切り分けてから食べてはいけない)

田丸先生のお手本を参考にして、各受講者が粽の美しい食べ方を実践した。 粽を食べ終わったら「ごちそうさまでした」ではない。 食べ終わったら、あとかたづけ。 笹の葉を三つ折りにしてからイガラでくるくる巻いて後片付けをする。

行事菓子、記念日に食べる菓子というと今、洋菓子が主流だ。 白い台の上に赤いフルーツがのった洋菓子は、バースデーケーキ、雛祭り、クリスマスケーキなどとして一年中出番がある。 オールマイティー、でも、季節感がない、行事との関連性がない、歴史がない、地域色がないと思う。〜伝えていきたい粽の食べ方。 さて、今回は柏餅の出番がなかったが、田丸先生の帯どめが「柏餅」だった。 さすが、走り続ける京菓子屋の女将!

text:渡邉 和彦